労働環境や給与を理由に辞めたAさん
Aさんの体験談
ここでは、労働環境や給与を理由に退職をしたAさんの体験談を紹介していきます。Aさんの体験談を読んで、もし自分にも当てはまる部分が多いようであればあなたが働いている介護施設はブラックかもしれません。
理不尽な給与カット
Aさんが最初に入社したところは介護分野の中でも比較的大手で、日本各地に支社があるような企業でした。そのため、働くまではまったく悪いイメージをもっていなかったそうですが、実際に働き始めてから労働者に対してとても冷酷な企業であることがわかったのです。まず、この企業では人件費を削減するために、ほとんどの職員が契約社員として働いていました。契約社員の場合は賞与や退職金がありません。ですが仕事はほとんど正社員と同じ内容で、当然のように異動も発生するなど、今考えればおかしいと思うことが多くありました。
大体朝8時頃に出勤し、毎日当然のように残業が発生。21時以降に退勤というのもザラだったそうです。そのように忙しい毎日だったものの、Aさんは仕事に対して誇りを持ち、利用者の方に喜んでもらえるやりがいを感じていたので最初はそこまで気になりませんでした。新卒で入ったということもあり、そもそも社会人とはこういうものなのだと思っていたそうです。しかし、ここで問題となったのは残業代がきちんと支払われないことでした。多少は出ましたが、実際の労働時間と比較すると明らかに少ない額だったのです。月の売り上げが良い時は出るが、そうじゃないときは勝手に残業代がカットされるといった状態でした。収入が安定しなければ安心して生活を送ることができないため、Aさんは転職を決意しました。
絶対的権力を持った理事長
Aさんが次に働いたのは障がい者施設でした。職場見学をした際に感じたアットホームな雰囲気が魅力的でその施設に決めたAさんですが、働き始めてからその施設の異常な実態を知ります。その施設の理事長が、とにかく巨大な権力を持っていたのです。何かを決めるときには必ず理事長の許可を得なければならないのですが、この理事長が非常にひねくれもので、少しでも気になるところがあるとネチネチと重箱の隅をつつくように指摘してきます。また、気に入らなければすぐに怒鳴るタイプの人で、Aさんが入職してからも多くの職員が辞めていったそうです。理事長の言うことは絶対で、それに逆らうものは許さないといった体制が出来上がっているため、職員は常にビクビクしながら仕事をしていかなければなりません。そんな環境では本当の意味での良い介護を提供することができるわけがなく、仕事に対してやりがいを感じることもできなくなってしまったため、Aさんは退職しました。